ここでは、PC EngineエミュレーターのOotakeの使い方を説明しています。
PC Engineのエミュレーターにはいくつか種類があるのですが、現在も開発が継続している国産エミュレーターという事で、本稿ではOotakeを採用しています。
他のエミュレーターの中にはBIOSファイルの必要がないものもあるのですが、Huカードのゲームの吸出し機を使えば、BIOSは簡単に入手できます。
また、Ootakeはエミュレーターの搭載機能を使ってCD-ROM2のデータが吸い出せます。
CD Manipulator等の別のソフトで吸出した場合は、仮想ドライブを経由してのみ起動しますし、互換性が下がる可能性がある模様です。
ですので、ここではエミュレーターの標準機能を使った吸出し方法を紹介しています。
なお、ものすごくちなみになんですが、作者は大竹さんではないそうです。
2021年12月20日追記
バージョン3.03になって、それまでにあった、CDドライブが一つは存在しないと吸い出したCD-ROM2データが起動できない問題が修正されました。
そのため、起動用のダミードライブ設定に関する内容を全て削除しました。
2023年2月2日追記
ダンパークライアントが統合されてマルチダンパークライアントになっていましたので、それに対応して一部記述を変更しました。
2023年9月3日追記
DirectXランタイムをインストールしていない場合、環境によっては音が出力されない現象が報告されましたので、インストールを推奨するように変更しました。
2023年9月5日追記
Ootakeのセーブデータを移動する時のやり方を、おまけ3として追記
2024年4月22日追記
CD-ROM2の吸出し時、ゲームディスクを正しく認識していない場合の対処法を追記
最初に必要な機材をそろえます。箇条書きにしますと、以下のようになります。
以上の3点です。このうちPCEダンパーとUSBケーブルというのは、以下のようなものです。
PCEダンパー本体はこちらで購入できます。これには別売のUSBケーブルが必要ですので、こちら等で購入しておいてください。
御覧の通り基盤がむき出しですので、冬場は静電気に注意です。バチッといったらほぼ確実に壊れます。作業前にPCのケースの外側等、ある程度大きな金属に触れてから作業する事をお勧めします。
スーパーシステムカード Ver.3.0というのは、以下のような一種のHuカードです。これは、CD-ROM2用のBIOSファイルの吸出しに使用します。
ちなみに私の地元では、中古ショップでゲームに混ざって普通に売っていました。通販で購入する場合は、こちら等で購入できるようです。
DirectXランタイムと呼ばれるプログラムをインストールしておかないと、環境によっては音が出力されないこともあるようですので、ここでインストールしておきます。
こちらの「ダウンロード」ボタンをクリックして、ダウンロードします。
ダウンロードしたファイルをダブルクリックすれば、インストールが開始されます。
ほぼデフォルトで良いのですが、一か所だけ変更をお勧めします。
上の画面が表示されましたら、「Bingバーをインストールする」のチェックを外しておきます。意地でもBingを使わせようとするMicrosoftめ・・・。おっと、心の声が漏れてしまったようです。
ここでは、スーパーシステムカードを用いたBIOSファイルの吸出し方法を解説しています。Huカードのゲームも全く同じ手順で吸い出せますので、その部分は割愛させていただいています。
まず、こちらにアクセスします。
マルチダンパークライアントとなっている所のDOWNLOADボタンを押して吸出しのクライアントソフトをダウンロードします。
インストールはとても簡単です。
ダウンロードしたzipファイルをダブルクリックしたら見えるファイルとフォルダを全て、適当な場所にコピーするだけです。後は扱いやすいように、デスクトップにショートカットを作っておくと良いでしょう。
続けて吸出し作業に移ります。
PCEダンパーの付属のマニュアルにも書いてあるのですが、サードパーティ製のウィルス対策ソフトが入っていない状態で、Windows Defenderが有効になっている場合は吸出しに失敗する事があるそうです。付属のマニュアルにそれを一時無効化する方法が書いてありますので、そちらを参考に設定を追加してください。
PCEダンパーにカードを差し込み、PCにUSBケーブルで接続します。
先ほどコピーしておいたダンパークライアントソフトを起動し、左側の「PCE」ボタンを押してから「Info」ボタンを押してカードの情報を表示します。
この時、「Title」の所に正しいカードの名前が表示されているかどうか等を確認してください。
カードの端子の劣化具合によっては、きちんと認識されない場合があります。その場合は何度か差し直してください。
どうしてもうまくいかない場合は、こちら等で購入できる「レトロゲーム復活剤」を端子に塗るとうまくいくこともあります。
「Dump」ボタンを押して、保存先のフォルダとファイル名を指定します。
成功すると以下のように「>Success!」と表示されるはずです。
なお、端子が接触不良でもこの表示がでることがあります。その場合は起動したときに画面がバグりますので、注意してください。
後述するROM Checkerを利用すると正しく吸い出しせたかどうかの確認ができますので、ぜひとも利用を検討してみてください。
ここでは、エミュレーター本体のインストールと初期設定を行います。
こちらにアクセスし、少し下にある「Download (Free Soft)」の所にある「Ootake 3.03 (click here)」の部分をクリックしてダウンロードします。
なお、3.03の部分はバージョン番号ですので、変化する可能性があります。注意してください。
2021年12月20日現在、Microsft Edgeでダウンロードしようとすると、ウィルスと誤認識されるようです。その場合は、Google Chrome等の他のブラウザを利用するか、Edgeのダウンロードアイコン横の設定から強制的にダウンロードしてください。
インストールはとても簡単です。ダウンロードした実行ファイルをダブルクリックするだけです。デフォルトのままでインストールして構いません。
デスクトップにOotakeのショートカットができていますので、そこから起動して初期設定に移ります。
以下のような画面が開きますので、「Setting」ボタンを押します。
「Set CD-DA Play Timing」ボタンを押します。この設定をしなくても動作はしますが、音ズレが発生する可能性がありますのでやっておきましょう。この時、説明文が書かれたウィンドウが開きますが、そのまま「OK」ボタンを押してください。
「High Quality PSG (Default)」ボタンを押します。なお、説明文ではこれは高速なPC向けの設定となっていますが、かなり昔のノートPCで試しても問題ありませんでしたので、よほど非力なマシンでもなければこの設定で構いません。
以下のような画面が開きますので、1分間待ちましょう。その後に表示される説明ウィンドウは、「OK」ボタンを押して閉じてしまって構いません。
以下の画面に戻ってきますので、「Set Button of PCE Pad Controller」を押してコントローラー設定に移ります。
「PCE Directional Pad Setting 十字キー設置」の下の「Set」ボタンを押して上下左右のボタンを設定します。
なお、本稿おすすめのPS4コントローラーを使っている場合、傾きが優先されて入力されてしまい、うまく設定できないこともあります。その場合は、コントロールパネルからPS4コントローラー(Wireless Controller)を開いて、プロパティで初期値に戻すとうまくいく場合もあります。この手順はPS4コントローラーの章で紹介していますので、そちらを参照してみてください。
それでもだめなら、机などの平らな場所においてOSを再起動し、そのまま机の上で設定するとうまくいく時もあります。
どうしてもだめなら、PS3やXboxコントローラーを用意し、無線の場合は切断してから再起動、有線の場合は差し替えてから設定し、元に戻してから再起動するとうまくいくこともあります。これは、OSに認識されている順番をごまかすことで強引に設定する方法です。
「for 2-Button Pad Games」の下の「Set」ボタンを押してボタン設定をします。ちなみに、「I」ボタンが右側、「II」ボタンが左側です。その横の「Turbo Button」は連射ボタンを設定する所です。お好みで設定してください。
設定が終了したら、右下の「Close」ボタンで終了します。
元の画面に戻りますので、「Video Setting」のところを指定します。ここで画面サイズが指定できます。終わったら右下の「Set」ボタンを押して設定を完了します。
最初の画面に戻りますので、「”CD-ROM” Game」を押します。この時、CDは入れてなくても構いません。BIOSファイルを設定するためのものですので。
以下のような確認画面がでますので、「OK」を押します。そのままファイル選択画面が開きますので、先ほどシステムカードから吸い出しておいたBIOSファイルを指定します。
以下のような画面が出ていれば成功です。
続けて、CD-ROM2のディスクの吸出し方法の説明に移ります。
光学ドライブに吸い出したいCDをセットし、起動画面で「”CD-ROM” Game」を押し、先ほどの画面を出します。初期設定した直後で上記の画面が既に出ている場合は、そのまま作業を開始してください。
画面をクリックして、画面上部にメニューを開きます。
マウスカーソルが表示されない場合は、「ESC」キーを押してもこのメニューが開きます。
ドライブが2つ以上存在している場合は2つ認識されます。
その場合は、メニューの「CD-ROM」を開いて、正しいドライブを選択してください。なお、外付けドライブが選択肢に出てこない場合は、Ootakeを再起動してみてください。
吸出しは、画面をクリックするか「ESC」キーを押して開くメニューから、「CD-ROM」→「CD Install」→「CD Fullinstall (Recommend)」を選択して行います。
なお、この時画面の左上にゲームタイトルが表示されるのですが、そこが「CD:Unkown Title」と表示されている時は認識に失敗しています。
その場合はOotakeを再起動するか、一度ディスクを抜いてしばらく待ってから入れ直し、またしばらく待つと認識されるようになります。それでもだめだった場合は、メニューの「CD-ROM」からドライブの名前のところをクリックしてみてください。
以下のような画面が開きますので、終了するまで待ちましょう。
なお、吸い出したデータは「C:\ユーザー\(ログインユーザー名) \AppData\Local\VirtualStore\Program Files (x86)\Ootake\install」にあります。
(ログインユーザー名)の部分は環境に依存しますので、私には分かりません。Windowsのスタートメニュー左にあるユーザーアイコンにカーソルを持っていくと見えるはずですので、各自で確認してください。
なお、このフルパスのフォルダ名をエクスプローラーにコピペして表示する場合は、「ユーザー」の部分を「Users」にする必要があります。
また、このフォルダの中の「AppData」の部分は隠し属性になっており、デフォルトの状態では表示されません。こちらを参考に設定を変更してください。
このフォルダにゲームタイトルのフォルダ名ができているはずです。これをコピーしておけばバックアップが取れますが、くれぐれも他人には渡さないようにしてください。自分で吸い出したデータでなければ、著作権法違反になります。
なお、最初の画面に戻ったときにそのままRUNに割り当てたボタンを押すと、実物のCD-ROM2から起動してしまいます。吸い出したデータからの起動は別の方法になりますので、注意してください。
ここでは、吸い出したゲームの起動方法について説明しています。
HuカードのデータとCD-ROM2のデータで起動方法が若干異なりますので、注意してください。
まずはHuカードデータの起動からです。
起動画面で「”Hu-CARD” Game」ボタンを押して、吸い出しておいたゲームファイルを指定します。
吸出しに成功していれば、以下のようにゲーム画面が起動します。ここが真っ白になる場合は吸出しに失敗していますので、PCEダンパーから再度吸い出してください。
次に、吸い出しておいたCD-ROM2のゲームの起動方法について説明します。
「Play Installed CD」ボタンを押して、吸い出したゲームタイトルのフォルダを指定します。
なお、「”CD-ROM” Game」の方は、実物のCDから起動する場合ですので、間違えないように注意してください。
以下のような画面が開きますので、RUNに割り当てたボタンで起動します。
起動に成功すると、以下のようにゲーム画面が開きます。
Ootakeはステートセーブ(どこでもセーブ)機能が搭載されています。「S」キーでセーブ、「L」キーでロードです。また、リセットボタンは「F1」キーです。
以上で設定は終わりです。お疲れさまでした。
それでは、快適なPC Engineエミュレーターの世界をお楽しみください。
エメラルド ドラゴン等の一部のゲームでは、起動時に6ボタンコントローラーが強制的にセットされてしまいます。
こちら等の6ボタンコントローラーを使っている場合は、前の設定画面を参考に6ボタンコントローラーの設定をしてしまっても構わないのですが、それらを持っていない場合は、2ボタンコントローラーを手動で指定する事も可能です。
画面をクリックしてメニューを開き、「Input」→「Connect [6-Button Pad]」→「2-Button Pad」と進めば設定できます。
なお、どのコントローラーが選択されているかは、起動時の左上に「Connected 6-button pad.」と表示されているところを見れば分かります。この場合は6ボタンですね。
ROM Checkerというツールを使うと、正しく吸い出せたかどうかのチェックが簡単にできます。ここでは、その使い方を説明しています。
まず、こちらにアクセスし、「ROM Checker」のところの「ダウンロード」を押してダウンロードします。なお、画面の説明には.NET Flamework 4が必要とありますが、私が確認した限りではWindows10であればインストールは不要でした。もしエラーになるようでしたら、同梱されているReadme.txtに記述されている方法で追加のインストールを行ってください。
インストールは、ダウンロードしたzipファイルをダブルクリックすれば見える「ROM Checker.exe」を、適当な場所にコピーするだけです。後は起動しやすいように、デスクトップにショートカットを作っておくと良いでしょう。
操作は簡単です。
「ファイル」→「ROMファイル読込」と進み、吸い出したファイルを読み込みます。チェックしたいファイルをドラッグ&ドロップでもOKです。
画面の一番下に「データベースのCRCと一致しました。」と表示されていれば、正しく吸い出されています。
PCを新調した時など、セーブデータを引越ししたい時もあると思います。
ここでは、そのような時の移動方法を説明します。
と、言いましても、それほど難しいことはしなくていいです。基本的にセーブデータはファイルの形式で保存されていますので、それをコピーするだけです。
セーブデータは「C:\ユーザー\(ログインユーザー名) \AppData\Local\VirtualStore\Program Files (x86)\Ootake\bram」にゲーム名ごとに保存されています。
(ログインユーザー名)の部分は環境に依存しますので、私には分かりません。Windowsのスタートメニュー左にあるユーザーアイコンにカーソルを持っていくと見えるはずですので、各自で確認してください。
なお、このフルパスのフォルダ名をエクスプローラーにコピペして表示する場合は、「ユーザー」の部分を「Users」にする必要があります。
また、このフォルダの中の「AppData」の部分は隠し属性になっており、デフォルトの状態では表示されません。こちらを参考に設定を変更してください。
なお、上の「Ootake」フォルダの直下に「save」というフォルダもあり、これはステートセーブしたデータがゲーム名ごとに管理されて保存されています。これの引越しをする場合の参考にしてください。