先祖返りの町作り ~無限の寿命と新文明~
第249話 建国
それから、しばらくの時が経過し、大統領選挙が無事に終了した頃。
下馬評の通り、他の候補に大差をつけてユキムラが当選し、この国の初代大統領に就任した。
独裁者を産まないようにと、私が主張して制定した法律によれば、合計二期までしか大統領になれないようになっている。
そのため、最長でも十年間、我慢してもらえたら、ユキムラも重責から解放されるようになっている。
そして、ガイン自由都市の二百周年の記念日に合わせて行われた大統領の就任式の場で、ユキムラによって、ヒデオ・キョウワ国の建国が宣言された。
せめて、ガイン・キョウワ国にして欲しいと私はお願いしていたのだが、全会一致で却下されていた。
私の貢献度を考えると、これ以外の名前はあり得ないのだそうだ。
ちなみに、この日は建国記念日として制定されていて、国民の祝日となっている。
そして、私には、「建国の父」という新しい二つ名が与えられたのであった。
今は大統領府となっているかつての領主館で仕事の引継ぎを行っていると、ユキムラがある役職を私に与えた。
「大おじい様を、この国の終身名誉ダイトウリョウに任命しますね」
私はそれに、若干、驚いてしまい、異論を述べる。
「私をそんなものに任命してしまいますと、半永久的に給料をもらってしまいますよ?」
そうすると、ユキムラは笑顔になりながら、それでいいのだと説明してくれる。
「これは、大おじい様のための処置ではありません。シミンのための処置なのです」
「そうなのですか?」
ユキムラは力強く頷き、その真意を語ってくれる。
「建国の父となった大おじい様に、その長い寿命を使って、この国の行く末を見守って欲しいのです。そして、もし、道を誤りそうになったときは、それとなく手助けをお願いしたいのですよ」
私は、それならばと納得し、この国を見守り続けることを約束したのであった。