Novels

先祖返りの町作り ~無限の寿命と新文明~

第248話 ダイトウリョウセンキョ

 それから、また三年ほどの歳月さいげつが流れっていたころ

 当初とうしょ予定よていどおり、現在げんざい大統領だいとうりょう選挙せんきょおこなわれている。

 私は、周囲しゅういから大統領だいとうりょう選挙せんきょ出馬しゅつばするようにと、何度もり返し要請ようせいを受けていた。しかし、がんとして受け入れず、拒否きょひし続けていた。

「自分で言うのも口幅くちはばったいのですが、この国の建国けんこくにおける私の貢献度こうけんどは、いささか大きすぎます。そのため、どうしても、私にずっと『大統領だいとうりょう』をやってしいと言う人が多くなってしまいます。私は自分が独裁者どくさいしゃとなって、せっかく作ったこの『共和きょうわ』国をこわしたくはないのです」

 このように説明せつめいを続け、固辞こじし続けた。

 どうあっても私を翻意ほんいさせられないと理解りかいした周囲しゅういは、それならばと、私の直系ちょっけい子孫しそんであるユキムラに白羽しらはを立てた。

 連日れんじつ説得せっとく攻勢こうせいにユキムラがついにれてしまい、大統領だいとうりょう選挙せんきょ出馬しゅつばすることがまってしまっていた。

「私の我儘わがままでユキムラに迷惑めいわくをかけてしまって、本当にもうわけなく思っています……」

 そのことが耳に入った私は、一も二もなく、即座そくざにユキムラに謝罪しゃざいしていた。

 そうすると、ユキムラはわらいながら、気にしなくていいと言ってくれる。

「それに、私は、大おじい様に感謝かんしゃしているのですよ?」

 これからこの国で一番大きな重責じゅうせきになうであろうユキムラからの予想外よそうがい言葉ことばに、私は絶句ぜっくしてしまっていた。

「大おじい様はあの日の約束やくそくどおりに、ヨシヒロには領主りょうしゅ責任せきにんわせず、職業しょくぎょう選択せんたく自由じゆうられる国を作ってくださいました。それだけでも、私は十分にありがたいのです」

 私を気遣きづかってくれるユキムラのその姿すがたまぶしくて、私は目をすがめながら、ありがとうとしか言えなかった。

(エルク、ルース。私たちの子孫しそんは、これほどまでにこころやさしい、立派りっぱ人物じんぶつになってくれましたよ)

 私はこころの中だけで、そっと、今は天にいる親友しんゆうたちに報告ほうこくしていた。