先祖返りの町作り ~無限の寿命と新文明~
第194話 産業の父
魔力ジドウシャが実用化されたことにより、魔道具のモーターへの注目度が高まっていった。
ちなみに、私がこれを初めて見たのはルツ親方の試作品であったため、ずっと「回転の魔道具」とか「もーたーの魔道具」などと言っていた。
しかし、この呼び方は平民たちの間では少数派の模様で、一般的には「魔力もーたー」と呼ばれているようだ。一方、電動式のものはそのまま「デンキもーたー」と呼ばれているらしい。
魔力もーたーへの注目が高まっていくと、私がかつて作成した応用製品にも注目が集まるようになっていった。
代表的なものだけでも、デンドウのこぎり、コネキの魔道具、レンズ用の研磨機、魔力ジドウシャが挙げられる。
一般販売はされていないが、上水道に使われている魔力ぽんぷもある。私は作っていない旋盤についても、センバンの魔道具として注目され始めているのだとか。
見向きもされていない例外は、みきさーの魔道具くらいのものである。
もっとも、これはデンキもーたーを使った製品が既に一般販売されており、魔力もーたーを使った時には高額すぎるという問題点があったのが、解消されてしまっている点が大きいのだろう。
その結果、魔力もーたーは産業用の機械の動力源として有用であると、次第に認識されるようになっていった。
その流れにより、ダイガクでも様々な研究室で工作機械への応用研究が盛んに行われている。
そのような事情もあり、いち早く魔力もーたーの有用性に気づいた私への評価も上がることに繋がったのである。
ちなみに、ダイガクには、現在、若干名の魔導師が在籍している。
魔法式の内容を理解し、改良ができる能力があれば、トッキョ料で簡単に安定収入が得られることが私で実証されたため、貴重な魔導師たちが研究者として加わってくれていた。
魔導師たちをダイガクに招くきっかけを作ったことも含めて、私は次第に新産業の立役者として褒め称えられるようになっていった。
そして、私には新たに「産業の父」という、大変名誉な二つ名が増えることになったのであった。