ここでは、スーパーファミコンエミュレーターのbsnesの使い方を説明しています。
スーパーファミコンのエミュレーターにはいくつか種類があるのですが、なんと動作率100%の完全互換性を達成しているbsnesを本稿では採用しています。
また、SFCダンパーという専用の吸出し機を使用し、ROMカセットを吸い出す方法も紹介しています。
私もいろいろなエミュレーターを利用してきたのですが、再現率100%というのは、このbsnes以外に見たことがありません。
完璧主義者として有名な故bryuuさんのこだわりに、完全に脱帽です。こう書くとお分かりかもしれませんが、bryuuさんはすでに鬼籍に入られております。
エミュレーター界隈に多大な功績を残したbryuuさんに敬意を示すため、ここでは、彼の残した最終バージョンを利用する方法を書いています。
2023年2月2日追記
ダンパークライアントがマルチダンパークライアントに統合されていましたので、それに対応しました。
最初に必要な機材をそろえます。と、言っても、必要なのはSFCダンパー(ROMカセット吸出し機)と別売のUSBケーブルだけです。これらは、以下のようなものです。
PCと接続して実際に使っている様子は、以下のようになります。
ROMカセットの表面が、基盤に印刷されている矢印の方向にくるように差し込んでください。
SFCダンパー本体はこちらで購入できます。これには別売のUSBケーブルが必要ですので、こちらで購入しておいてください。
御覧の通り基盤がむき出しですので、冬場は静電気に注意です。バチッといったらほぼ確実に壊れます。作業前にPCのケースの外側等、ある程度大きな金属に触れてから作業する事をお勧めします。
ここでは、SFCダンパーを利用したROMカセットのデータの吸出し方法を説明しています。
まず、こちらにアクセスします。
マルチダンパークライアントとなっている所のDOWNLOADボタンを押して吸出しのクライアントソフトをダウンロードします。
インストールはとても簡単です。
ダウンロードしたzipファイルをダブルクリックしたら見えるファイルとフォルダを全て、適当な場所にコピーするだけです。後は扱いやすいように、デスクトップにショートカットを作っておくと良いでしょう。
続けて吸出し作業に移ります。
SFCダンパーの付属のマニュアルにも書いてあるのですが、サードパーティ製のウィルス対策ソフトが入っていない状態で、Windows Defenderが有効になっている場合は吸出しに失敗する事があるそうです。付属のマニュアルにそれを一時無効化する方法が書いてありますので、そちらを参考に設定を追加してください。
SFCダンパーにROMカセットを差し込み、PCにUSBケーブルで接続します。
先ほどコピーしておいたダンパークライアントソフトを起動し、左側の「SFC」ボタンを押してから「Info」ボタンを押してカセットの情報を表示します。
この時、「Alt name」の所に正しいカセットの名前が表示されているかどうか等を確認してください。
カセットの端子の劣化具合によっては、きちんと認識されない場合があります。その場合は何度か差し直してください。
どうしてもうまくいかない場合は、こちら等で購入できる「レトロゲーム復活剤」を端子に塗るとうまくいくこともあります。
「Dump」ボタンを押して、保存先のフォルダとファイル名を指定します。
成功すると以下のように「>Success!」と表示されるはずです。
なお、端子が接触不良でもこの表示がでる事があります。その場合は起動したときに画面がバグりますので、注意してください。
後述するROM Checkerを利用すると、簡単に正しく吸い出せたかどうかが判明しますので、ぜひともダウンロードして利用してみてください。
ここでは、ROM Checkerというツールを使って、正しく吸い出せたかどうかのチェックを行います。
こちらにアクセスし、「ROM Checker」のところの「ダウンロード」を押してダウンロードします。なお、画面の説明には.NET Flamework 4が必要とありますが、私が確認した限りではWindows10であればインストールは不要でした。もしエラーになるようでしたら、同梱されているReadme.txtに記述されている方法で追加のインストールを行ってください。
インストールは、ダウンロードしたzipファイルをダブルクリックすれば見える「ROMChecker.exe」を、適当な場所にコピーするだけです。後は起動しやすいように、デスクトップにショートカットを作っておくと良いでしょう。
操作は簡単です。
「ファイル」→「ROMファイル読込」と進み、吸い出したファイルを読み込みます。チェックしたいファイルをドラッグ&ドロップでもOKです。
画面の一番下に「チェックサムが一致しました。」と表示されていれば、正しく吸い出されています。
ここでは、エミュレーター本体のインストールと初期設定を行います。
こちらにアクセスし、v115のところの「bsnes_v115-windows.zip」を押します。
インストールはとても簡単です。ダウンロードした「bsnes_v115-windows.zip」をダブルクリックし、表示されるファイルとフォルダをまとめて適当な場所にコピーします。
後は起動しやすいように、実行ファイル本体である「bsnes.exe」のショートカットをデスクトップに作っておくと良いでしょう。
続けて初期設定に移ります。インストール先の「bsnes.exe」を起動します。本稿おすすめのPS4コントローラーを無線接続している場合は、起動前にプレステボタンを押して接続しておいてください。これは起動するごとに必要で、忘れるとコントローラー設定を再び行う必要があります。
最初に画面の大きさを変えます。初期状態ではちょっと小さいので。
「Settings」→「Size」を選択し、表示倍率を選択します。標準的なフルHDのモニタですと、4倍(960p)を選択しておくと良いでしょう。
続けてコントローラー設定に移ります。
「Settings」→「Input」と選択します。
以下のような画面が開きますので、「Mapping #01」の下のところを順にダブルクリックして設定していきます。なお、BとYボタンが左です。
「Turbo」となっているところは連射ボタンです。ボタンに余裕がある場合は設定しておくと良いでしょう。
設定が完了したら、右上の×ボタンで閉じてください。
ここまでの設定だけでも十分に遊べるのですが、bsnesには高画質化の機能がありますので、ついでにその設定もしておきます。
「Settings」→「Shader」と選択し、お好みで設定します。おすすめは一番下の「xBRZ」です。よほど非力なマシンでもなければ十分に動きます。
これは、そのまま拡大するとガタガタになるので、間をなめらかに変化させる事できれいに表示する手法です。
なお、スマホの画面でこのWebページを表示している場合は、違いが分かりにくいかもしれません。すいません。
Shader:None
Shader:xBRZ
この高画質化には、「テクスチャフィルタリング」と呼ばれる技術が使われています。
これについてはDuckStationの章に詳しく書いていますので、興味がある方はそちらを参照してみてください。
ここでは、吸い出したゲームの起動方法について説明しています。
「System」→「Load Game」と選択し、起動したいファイルを指定するだけです。
bsnesはステートセーブ機能(どこでもセーブ機能)が搭載されています。
「F5」キーでセーブ、「F7」キーでロードになります。
以上で設定は終わりです。お疲れさまでした。
それでは、快適なスーパーファミコンエミュレーターの世界をお楽しみください。