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先祖返りの町作り ~無限の寿命と新文明~

第251話 エピローグ

 ヒデオ・キョウワ国の建国けんこくから、一年ほどが経過けいかしていたころ

 私はあれから、大統領府だいとうりょうふ、ヒデオ工房こうぼう、ダイガクなどの各所かくしょで仕事の引継ひきつぎをませていた。

 特にヒデオ工房こうぼうでは、半年に一度ほどのペースでおとずれ、あの秘伝ひでんこな直接ちょくせつ手渡てわた約束やくそくを、あらたに工房こうぼうちょうとなったニーナとわしていた。

 ユキムラとの約束やくそくもあるので、ちょくちょく第二の故郷こきょうとなったガイン自由じゆう都市としおとずれ、様子ようす確認かくにんする意味合いみあいもふくまれている。

 こうして、全ての後事こうじ片付かたづけた私は、あの日の約束やくそくたすべく、島アルクのさとおとずれていた。

 っすぐにクリスさんの小屋こやへとかい、彼女をび出す。

「クリスさん。大変たいへん、長らくおたせしてもうわけありません。今こそ、あの約束やくそくたさせてください」

 私はそのように前置まえおきして、彼女にプロポーズを始める。

「私をあなたの所有物しょゆうぶつにしてください。そして、私のつまとなって、私の子供こどもんではいただけませんか?」

 クリスさんは両目りょうめ見開みひらき、ポロポロと大粒おおつぶなみだながしながら、返事へんじをしてくれる。

「はい……、はい。もちろん、よろこんで、そのもうし出をけさせていただきます」

 私は、彼女をけ止めるべく、両手を広げると、クリスさんがっすぐに私のむねんできた。

 そして、嗚咽おえつをこぼしながら、うれなみだひたってくれている。

「ああ……、ああ!! ゆめではないのですよね? この日、この時を、どれほどのぞんだことか……」

 そう言って、くずれそうになるいとしい人を、私は両手りょうてささえ、強くきしめて、これが現実げんじつだとからだ全体ぜんたいつたえる。

 こうして、クリスさんあらため、クリスと私は夫婦ふうふとなった。

 これから、末永すえながく、しあわせな結婚けっこん生活せいかつつづけるつもりである。


 そして、二百五十年ほどが経過けいかしたころ

 クリスは、かつての宣言せんげんどおりに、私の子供こども出産しゅっさんしてくれた。

 まれた子供こどもは男の子で、おどろいたことに、先祖せんぞがえりであった。

 まだ事例じれいが少なくて確認かくにんできないが、おそらくは、先祖せんぞがえ同士どうしであれば、まれてくる子供こども先祖せんぞがえりになるのだろう。

 やがて成長せいちょうしたこの子は、森の祭司さいしちょう恋仲こいなかとなり、二人は結婚けっこんして子供こどももうけることになる。

 こうして、数千年の長い時をかけて、ゆっくりと先祖せんぞがえりがえてゆくのであった。


 ──── 完 ────


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