先祖返りの町作り ~無限の寿命と新文明~
第199話 いつか、遠い未来で
それから、瞬く間に四年の歳月が流れ去った頃。
昨年、リョウマが天へと旅立っていった。
そして、今年に入ると、フィーナとティータも相次いで旅立っていった。どこまでも仲のいい姉妹である。
私は今回も笑顔で見送ることに成功していた。しかし、家族たちはみんな、旅立っていったリョウマたちではなく、私を見て涙を流していた。
なんでも、私の笑顔での見送りは「大おじい様の微笑み」と呼ばれていて、一族のものであれば涙を流さずにいられないと、そう言われるほどの悲しいシーンとして有名なのだそうだ。
その話を聞いてしまったこともあり、私は、少なくとも表面上は落ち込んだ様子をなるべく見せないように努力していたつもりだ。
しかし、子孫たちはそんな私を見かけるたびに、以下の様に言って優しく諭してくれていた。
「泣いてしまっても、別に構わないのですよ?」
しかし、これはエストと交わした大切な約束で、既に対価ももらっているものだ。
何があっても、私はこの約束を違えるつもりはない。
最近になって、ようやく、私はこの長すぎる寿命の本当の意味が理解できるようになっていた。
そのきっかけとなったのは、エストの旅立ちを知った祭司長が、以下の様に言って吐き捨てていた言葉だった。
『これじゃから、先祖返りの長すぎる寿命は、呪いの類じゃというのじゃ』
この言葉に込められた思いが、身に染みて理解できるようになっていた。
しかし、なればこそ、私は家族と交わした約束だけは、どうあっても守り通してゆきたい。
この長すぎる旅路も、いつかは必ず終わる時が来る。
その時こそ、天国で懐かしい家族たちと再会し、私は、こう、自慢するのだ。
「どうです? 私はちゃんと生き抜きましたよ? あなたたちとの約束も、思い出も、なにもかも全部、大切にして最期まで頑張り通しました。ですから、少しだけでいいのです。私を褒めてくださいね」
そのためにも、落ち込んではいられない。私は、次第に、仕事に没頭するようになっていった。