先祖返りの町作り
第12話 算数
少し開発が行き詰って来たので、
他の事をしてみようかと考える。
何日か考えた末、ずっと先延ばしにして来た、
算数を教えてみる事にした。
最低限の目標は足し算、引き算のマスター。
できれば、四則演算全てを教え込みたい。
理想は文字も教えて、教科書を作って、
将来私が里を出ても、
勉強が継続できる環境を作る事。
「これができないと、
大損するかもしれませんから」
根気強く里の子供に声をかけ、
20人ぐらいでスタート。
一桁の足し算、引き算までは、
脱落者なしに行けたが、
二桁のひっ算になると、脱落者が出始めた。
九九を教える頃には、
ほとんど脱落したけれども、
めげずに継続したら、
二人だけ割り算までマスターした。
「私が里を出た後は、
あなた達が先生になって、
算数を教えてください。
お願いしますね」
と言い含めた。
ただ、文字は教える事ができなかった。
皆必要性が理解できなかったようだ。