17. メールクライアント設定
ここからは、Windowsでのメールクライアントの設定について述べます。ここで使っているメールクライアントソフトは、Mozilla Thunderbirdです。繰り返しますが、今の段階では暗号化されていません。よって、LAN内部からだけ、設定を行ってください。
Thunderbirdインストール直後やアカウントを追加したときに、まずは、以下のように入力します。
あなたのお名前 | (送信時に表示される名前。適当に入れてよい) |
---|---|
メールアドレス | oluser@example.net |
パスワード | (oluserのログインパスワード) |

パスワードは、Oracle Linux 8のログインパスワードです。Tera Term等で使ったパスフレーズではありません。
この時、左下の"手動設定(M)..."を押し、サーバーの詳細情報を入力します。以下のように設定します。
受信サーバー | 送信サーバー | ||
---|---|---|---|
プロトコル | POP3 | プロトコル | SMTP |
サーバー | mail.example.net | サーバー | mail.example.net |
ポート番号 | 110 | ポート番号 | 25 |
SSL | 接続の保護なし | SSL | 接続の保護なし |
認証方式 | 通常のパスワード認証 | 認証方式 | 通常のパスワード認証 |
ユーザー名 | oluser | ユーザー名 | oluser |
ここで注意すべきは、ユーザー名の設定です。デフォルトでは、oluser@example.netになっていますが、このままでは認証が通りません。必ず、@以下を削除してください。
設定できたら、右下の"再テスト(T)"を押します。認証が通れば、真ん中あたりに、"次のアカウント設定が、指定されたサーバーを調べることにより見つかりました。"と、表示されるはずです。

見つからなかった場合は、次の点に注意してみてください。
- Thunderbirdで設定しているパスワードやユーザー名等の設定が、間違っていないか。
- サーバーのファイアーウォールでPOP3とSMTPが受信許可されているか。
これは、サーバーで sudo firewall-cmd --list-services と入れれば確認できます。
表示されている中に、pop3とsmtpがある事を確認してください。 - PostfixやDovecotが正しく動いているか。
前に述べた方法で、ステータスやログファイルを確認してください。
認証が通った場合は、右下の"完了(D)"ボタンを押します。この時、警告が表示されます。暗号化していないためですので、左下の"接続する上での危険性を理解しました(U)"にチェックを入れ、"完了(D)"を押します。

設定が完了したら、導通テストです。最初のテストは、自分から自分へ送ります。この段階ではルーターの設定をしていないため、外部メールアドレスとのやりとりはできませんので、注意してください。
oluser@example.netからoluser@example.netにメールを送り、受信ボタンを押したら、正しく受信されることを確認してください。もしエラーになるようでしたら、あわてず騒がず、サーバーでPostfixとDovecotのステータスやログファイルを見ましょう。
ここまでできれば、ほぼ設定は完了です。次に、ルーターの設定をします。これをしないと、外部とのメールのやりとりができません。
ブラウザのURLに、192.168.0.254(ルーターのアドレス)を入れて、管理画面を開きます。
"ゲーム&アプリ"ボタンを押します。
グループメニューで、”新規作成”を選択します。
"プロトコル"のところの、"任意のTCPポート"のところを、プルダウンメニューから、"SMTP(TCPポート:25)"を選択します。
"LAN側IPアドレス"のところに、192.168.0.2を入力します。
"新規追加"ボタンを押して、変更を保存します。
設定画面はSSHユーザーの追加の章を参照してください。ポート番号が違うだけで、ほぼ同じものです。
なお、SMTPは、外部のメールサーバーと送受信するために必要ですから、ポートを開ける必要がありますが、POP3(TCP:110)は開けてはいけません。
ここまでできたら、oluser@example.netから、もともとあった、自分の外部メールアドレスへ向けて送信したり、Gmailと送受信したりして、確認してみてください。