12. RLoginのインストールと設定
この章では、WindowsマシンでRLoginを使うための設定を記述しています。
以前の章で、Tera Termの紹介をしました。UNIX系OSを現役でバリバリ使っている人にとっては、必要十分な機能をもっているのだと思います。しかし私はWindowsのみを使うようになって久しく、少し扱いづらい面もありました。
なにかないかと探してみた結果、RLoginというソフトがすぐに見つかりました。操作感覚がWindowsライクで、私にとってはとても扱いやすかったので、ここにインストール方法と設定方法を紹介しておきます。
インストールはとても簡単です。こちらのサイトから、64bit版か32bit版の自分の環境にあったものをダウンロードします。zip形式の圧縮ファイルですから、Windows10でしたら、ダブルクリックすれば中身が見えます。それをコピーして、適当なフォルダに張り付けるだけです。後は、各人の好みで、デスクトップにショートカットでも作れば終わりです。
次に初期設定について記述します。RLoginを起動すると、以下のようなウィンドウが開きますので、”新規(N)”ボタンを押します。

以下のような画面が開きます。

上側のエントリーとコメントですが、何を入れても構いません。ただ、エントリーにはサーバーが分かるものを、コメントには接続ユーザーが分かるものを入れるのが慣例のようです。
ホスト名のところには、自分のサーバーのURLか、IPアドレスを入力します。
TCPポートの部分には、前の章で設定したポート番号を入力します。前の章の例ですと、10022を入力します。
左下のほうにある、”SSH認証鍵(K)”を押して、秘密鍵を入力します。
ちなみに、”パスワード or パスフレーズ”のところは、入れても入れなくても構いません。入力する場合は、鍵を作るときに使ったパスフレーズを入力します。入力すると、毎回パスフレーズを入力しなくても、クリック一つでログインできるようになります。
なお、これは私見ですが、仕事場に持っていくマシンなど、他人が触る可能性のあるマシンには、パスフレーズを入力しないほうがいいでしょう。入力してしまうと、他人がワンクリックでログインできてしまいますので。特に、ログインユーザーが管理者の場合は、毎回パスフレーズを入力するように設定することを、強く推奨します。
“OK”ボタンを押して、設定を完了します。最初の画面に戻るので、登録されたエントリーを選択して、ログインします。この時、最初にだけ確認画面が出てきます。これの意味は、Tera Termの時と同じですから、そのまま接続します。また、次に信頼するホストに追加するかどうかも合わせて聞いてきますので、そのまま追加します。

設定画面でパスフレーズを入力しなかった場合は、ここで入力を求められますので、そのまま入力して接続します。
ここで、RLoginの便利な機能について、少しだけ紹介しておきます。RLoginは、とても高機能なのですが、あまりにも便利すぎて私も良く分かっていない機能がありますので、少しだけ説明します。
一番便利だと感じたのが、画面分割機能です。以下の画面のように複数のウィンドウで同時表示ができます。また、一つのログインで複数画面に出力することもできます。私は、片方の画面で設定ファイルを書いて、もう片方の画面で実行確認するときに、とても重宝しています。

次に便利なのが、SFTP機能です。RLoginは、単体でファイルのアップロードやダウンロード機能があるため、WinSCPを別に起動しなくても、ファイルのやり取りができます。

起動方法は簡単で、上部のメニューアイコンの”ファイル転送”を押すか、”ファイル(F)”メニューから、”SFTPファイルの転送(T)”を選択するだけです。

次にRLoginで鍵を作る方法を説明します。Tera Termに比べると、ここだけちょっと、めんどくさくなっているので、忘備録として残しておきます。
ちなみに、Tera Termで作った鍵が、RSA 2048という種類なのに対し、RLoginで作った鍵は、RSA 3072という種類で、暗号化強度が上がっています。そのため、私は、サーバーの公開鍵を、ここで作ったものに置き換え、指定する秘密鍵は、ここで同時に作成したものに変更するように設定しました。
最初の接続画面で、”編集(E)”ボタンを押します。

左の”サーバー”の”プロトコル”を押し、以下の画面で、”認証キー(K)”を押します。

右下の”作成”ボタンを押します。

パスフレーズを入力します。

先ほどの画面に戻りますので、”エクスポート”ボタンを押し、秘密鍵を保存します。このときのファイル名は、自分が分かるものであれば、なんでも構いません。

先ほどの画面に戻りますので、”公開鍵”ボタンを押します。以下のように公開鍵の内容が表示されますので、”OK”を押して、クリップボードにコピーします。

メモ帳やサクラエディタ等で開き、クリップボードの内容を張り付けた後、authorized_keysとして保存します。繰り返しますが、このファイル名は正確にお願いします。ただ、メモ帳で保存する場合、authorized_keys.txtとして保存されますので、後にエクスプローラー等から、.txtの部分の削除を忘れないようにしてください。

公開鍵をサーバーに登録する方法などは、前の章を参照してください。
ここからは、私なりのひと手間です。めんどくさい人はやらなくてもいい手順となります。
このままでは、RLoginに鍵情報が保管されているため、他人がPCを触ったときに、セキュリティ的に少しまずいと思いまして、それを削除しています。やり方は簡単で、”認証キーリスト”に登録されているキーの上で右クリックし、”認証キーを削除する(D)”を選択して削除するだけです。これをしても、作った秘密鍵などは削除されませんので、安心してください。設定画面の最初に指定したSSH鍵認証のデータも消えません。
